「経理でキャリアアップするには、どの資格を取ればよいのだろう」
経理の資格として最初に思い浮かぶのは、日商簿記だと思います。
しかし、私が実際に経理の転職活動をしたときは、簿記の資格だけでなく、ExcelスキルやTOEICの点数についても確認されました。
経理のキャリアは、一つの資格だけで決まるものではありません。
日商簿記、Excel、英語、実務経験を組み合わせることで、応募できる企業や担当できる仕事の幅が広がります。
この記事では、経理業務と転職活動の経験をもとに、経理で役立つ資格やスキルを目的別に整理します。
自分が目指す仕事に必要な資格・スキルが分かるため、次に何を身につけるべきか判断しやすくなります。
経理に役立つ資格・スキルの全体像
経理で役立つ資格やスキルは、目指す仕事によって変わります。
まずは、方向性ごとに整理すると以下のようになります。
| 目指す方向 | 役立つ資格・スキル |
|---|---|
| 経理の基礎を固めたい | 日商簿記2級 |
| 集計・照合に強くなりたい | MOS Excel |
| グローバル経理を目指したい | TOEIC |
| 上場企業や決算業務に関わりたい | 日商簿記1級 |
資格やスコアだけでなく、Excelの実務スキルや、担当してきた経理業務も転職では重要になります。
日商簿記2級は経理求人の応募条件になりやすい

経理を目指すなら、最初に優先したい資格は日商簿記2級です。
私が求人を見ていたときも、「日商簿記2級以上」や「日商簿記2級程度の知識」を応募条件にしている企業が多くありました。
日商簿記2級では、商業簿記に加えて、製造業の原価計算に関わる工業簿記も学びます。
仕訳や決算、原価計算の基礎知識を示せるため、特に経理経験が浅い人にとっては、応募できる求人を増やす材料になります。
すでに経理として働いている人にとっても、実務で行っている処理を理解するために役立つ資格です。
私が簿記3級・2級に90点台で合格した勉強法や使った教材、ネット試験対策は、別の記事で詳しくまとめています。
経理ではExcelの実務スキルを聞かれることが多い
経理の仕事では、会計ソフトだけでなくExcelも頻繁に使用します。
私が経理の転職活動をしたときは、面接で次のようなことを聞かれる機会が多かったです。
- ピボットテーブルを使えるか
- VLOOKUPなどの関数を使えるか
- マクロを使えるか
- Excelでデータを集計、加工できるか
経理では、売上や経費の集計、月次資料の作成など、さまざまな場面でExcelを使います。
マクロまで必須ではない求人もありますが、ピボットテーブルやExcel関数は、応募条件や面接で確認されることがあります。
MOS Excel Expertがあるとなおよい
Excelのスキルを体系的に学び、資格として示したい場合は、MOS Excel Expertも選択肢になります。
高度な関数、ピボットテーブル、データ分析、簡単なマクロなど、経理の転職で確認されやすい機能を学べます。
ただし、経理求人でMOSが必須というわけではありません。
資格がなくても、関数やピボットテーブルを使った集計、データの照合などが実務でできれば、Excelスキルとして説明できます。
MOSを持っている場合も、資格名だけでなく「Excelを使って何ができるか」まで面接で伝えることが大切です。
グローバル企業ではTOEICや英語力が求められる

海外子会社や海外拠点のある企業では、英語力を求められることがあります。
私もグローバル企業の選考でTOEICの点数を聞かれました。
2026年7月時点で確認した求人では、求められるスコアはおおむね600~800点程度です。
- 英語でのメールや資料確認が中心:600点程度
- 海外子会社とのやり取りを含む経理:700点前後
- 海外担当者との会議や専門的な調整を含む業務:800点以上
すべての企業に共通する基準ではありませんが、グローバル経理を目指すなら、TOEIC700点以上が一つの目安になります。
実際の仕事では、海外子会社とのメールや会議、英文資料の確認などで英語を使います。
ただし、TOEICの点数だけでなく、会計用語を理解し、英語でやり取りできる力も必要です。
求人によっては、スコアより英語の実務経験を重視する場合もあります。
上場企業を目指すなら日商簿記1級の知識も役立つ
日商簿記1級は、すべての経理担当者に必要な資格ではありません。
ただし、上場企業や大手企業の求人では、日商簿記1級を歓迎条件にしたり、上場企業での経理経験や同等の知識を求めたりすることがあります。
日商簿記1級では、次のような内容を学びます。
- 連結会計
- 企業結合
- 税効果会計
- 原価計算
- 管理会計
これらは、連結決算や開示、予算管理、原価管理などに関わる知識です。
上場企業での実務経験がなくても、日商簿記1級を通じて学ぶことで、業務に必要な会計知識を身につけていることは示しやすくなります。
また、非上場企業で月次・年次決算や税務などを担当してきた場合は、その経験を応募先の業務と結びつけて伝えることも大切です。
どの知識や経験が重視されるかは企業や求人によって異なりますが、日商簿記1級は、これまでの実務経験を補い、応募できる求人の幅を広げる材料になります。
資格と経験を組み合わせて年収が上がった例
私の知人には、日商簿記2級、上場企業での経理経験、TOEICを生かし、転職によって年収を約600万円から約900万円に上げた人がいます。
もちろん、同じ資格や経験があれば、誰でも同じ年収になるわけではありません。
それでも、資格に上場企業での実務経験や英語力を加えることで、応募できる求人が広がる一例だと感じました。
経理でキャリアアップを目指す場合は、資格を増やすだけでなく、年次決算、連結決算、開示、監査法人対応など、次の転職で評価される業務を経験できるかも重要です。
求人で求められる経験と、自分が担当してきた業務の差を感じた転職活動については、こちらの記事にまとめています。
私が選んだ経理の働き方

私も以前は、上場企業で実務経験を積み、より働きやすい経理職へ転職する道を考えていました。
そのため、上場企業での経験がない部分を知識で補おうと、日商簿記1級レベルの学習と英語に取り組みました。簿記では、全経簿記上級に合格しています。
一方で、子育てとの両立を考えると、繁忙期の働き方や勤務時間を調整しにくい環境で経験を積むことには不安がありました。
最終的には、上場企業での経験を優先する道ではなく、正社員の経理職を離れ、税理士事務所のパートとしてサイドFIRE生活を送っています。
年収の最大化ではなく、子育てとの両立や、自分の時間を確保できる働き方を選びました。
経理のキャリアは組み合わせ次第で可能性が広がる
経理のキャリアは、一つの資格だけで決まるものではありません。
日商簿記、Excel、英語、実務経験を、目指す会社や業務に合わせて組み合わせることで、選択肢が広がります。
すべてを身につけようとするのではなく、まずは実際の求人を見て、自分に足りない資格や経験を確認することが大切です。
求人の探し方や、転職エージェントとスカウト型を実際にどう使い分けたかは、こちらの記事にまとめています。
経理求人を探すときに利用した転職エージェント3社の違いは、こちらの記事で比較しています。






