日商簿記1級は学び方で変わる|2年半勉強して感じた講座選びのリアル

日商簿記1級の参考書を開いて置いたイメージ 働き方

簿記の勉強を進めていくと、次のステップとして日商簿記1級が見えてきます。

私も仕事の中で経理業務を担当するようになり、基礎を身につけたあとに1級へ挑戦しました。

勉強期間はおよそ2年半。

TAC、CPAラーニング、プロ簿記と複数の講座や先生を経験しました。

最終的には日商簿記1級と同程度とされる全経簿記上級を取得しました。

この記事では、学習方法を変えながら勉強を続けてきて感じた「講座や先生との相性」についてまとめます。

なお、TAC・大原・CPAラーニング・プロ簿記の特徴や、どんな人に合いやすいかを比較した記事はこちらにまとめています。

これから簿記1級を目指す方や、自分に合う講座を探している方の参考になれば嬉しいです。

未経験経理から簿記1級への挑戦

私は30歳前後に、未経験のまま経理業務を担当するようになりました。

2級までは、ふくしままさゆき先生のYouTubeを中心に学習しました。

説明が分かりやすく、会計の流れや考え方も理解しやすかったため、比較的スムーズに合格できました。

2級に合格した頃には、「せっかくなら1級まで挑戦してみたい」という気持ちが強くなっていました。

経理としての知識を深めたい気持ちもありましたし、将来の選択肢を広げたいという思いもありました。

こうして、私の日商簿記1級への挑戦が始まりました。

TAC通信講座というスタート地点

TACを選んだ背景には、大手資格学校への安心感がありました。

受講料は17万円前後で、私にとっては簡単に出せる金額ではありませんでした。

ただ、選んだコースが雇用保険の教育訓練給付金の対象だったため、条件を満たせば受講料の一部が戻ってくることが分かっていました。

その点も背中を押してくれました。

「本気でやるなら、実績のある大手で一度しっかり学んでみよう」

そんな気持ちで、TACに申し込みました。

大手ならではの学習環境

TACで良かったと感じたのは、模擬試験や直前対策が充実していたことです。

本試験を意識した学習環境が整っていて、広い試験範囲を一通り学ぶことができました。

教材の網羅性も高く、最初に全体像をつかむうえでは心強かったです。

ただ、学習を進めるうちに、科目によって理解のしやすさに差があることにも気づきました。

相性の壁

TACの講義で特に相性の難しさを感じたのは、工業簿記・原価計算の分野でした。

私は製造業の現場を見た経験がなく、材料費や労務費、製造間接費がどのように製品の原価になっていくのか、最初はイメージしにくかったです。

TACの講義は、試験に必要な内容を効率よく整理してくれるものだったと思います。

ただ、問題の背景や現場のイメージを聞きながら理解したい私には、少し事務的に感じる部分もありました。

商業簿記は比較的学びやすく、試験対策としても頼りになる内容でした。

講義が悪かったというより、私の経験や学習スタイルとの相性が良くなかったのだと思います。

あと3点の悔しさ

それでも1年間、本気で勉強しました。

当時は仕事と子育てをしながらの受験です。

通勤時間には講義動画を視聴し、夜は子どもを寝かしつけてから机に向かっていました。

日商簿記1級の勉強は、思っていた以上に生活の中心になっていたと思います。

迎えた試験結果は67点。合格まであと3点でした。

1年でここまで得点できたのは、TACのカリキュラムに沿って勉強してきたからだと思います。

ただ、点数は合格に近づいていたものの、自分の中ではまだ理解に不安が残っていました。

問題は解けても、なぜそうなるのかを自分の中で説明しきれない感覚がありました。

日商簿記1級は、少し切り口を変えられると、丸暗記だけでは対応しにくい試験です

次こそは確実に合格したい。

そのためには、やみくもに問題を解き続けるのではなく、根本から理解するために、学び方そのものを変える必要があると感じました。

この経験から、簿記1級の講座は料金や知名度だけでなく、自分の理解の仕方に合っているかどうかも大事だと感じました。

CPAラーニングで基礎から再出発

次に選んだのが、CPAラーニングです。

もともと勉強で分からないことがあると、CPAラーニングを使っていました。

もう一度、基礎からやり直そうと思いました。

無料とは思えない学習環境

CPAラーニングの最大の魅力は、完全無料で学べることでした。

講義動画だけでなく、テキストまで無料で利用できます。

分からない論点をもう一度確認したいときに、すぐに学び直せる環境があるのは本当にありがたかったです。

TACで一通り学んだあと、理解が曖昧な部分を補うためにもよく使っていました。

工業簿記が面白くなった理由

特に印象に残っているのが、工業簿記の植田先生の授業です。

植田先生は実際に公認会計士として、監査業務をされていた方です。

工場の話や実務の話が自然に出てくるので、「原価計算ってこういう場面で使うんだ」というイメージが持てました。

それまで苦手意識の強かった工業簿記・原価計算も、以前より理解できるようになりました。

TACではつかみきれなかった部分が、別の先生の説明を聞くことで少しずつ見えてきました。

理解と点数のギャップ

学習内容には満足していました。理解も以前より深まっている感覚がありました。

ところが結果は52点。

なぜか点数は下がってしまいました。かなり落ち込みました。

勉強しているのに結果が出ない。

家族との時間を削ってまで続けているのに、このままでいいのだろうか。

簿記1級を諦めようか考えた時期でもあります。

プロ簿記との出会い

そんな時に出会ったのが、プロ簿記でした。講師は富久田先生です。

今振り返ると、私に最も合っていた先生だったと思います。

理屈から学べる授業

富久田先生の授業は、とにかく説明が丁寧でした。

単なる解法だけではありません。背景や理論まで含めて説明してくれます。

私が求めていた学習スタイルそのものでした。

それまで曖昧だった知識が、少しずつつながっていく感覚がありました。

ちなみに、富久田先生はプロ簿記のブログも運営されています。

簿記1級の学習でつまずきやすい論点について、分かりやすく解説されていて、私も理解を整理したいときによく読んでいました。

続けやすかった理由

当時はサブスク形式を利用していました。月額5,000円くらいだったと記憶しています。

日商簿記1級の勉強は、すでにかなり長引いていました。

高額な講座をもう一度申し込む気力は残っていませんでしたが、プロ簿記は続けやすい料金だったため、もう少し頑張ってみようと思えました。

模試もあり、学んだ内容を試す機会があったことも助かりました。

点数以上の手応え

受験結果は60点。残念ながら会計学も足切りで不合格でした。

合格には届きませんでしたが、自分の中では明らかな変化を感じていました。

問題を解いているとき、「以前より理解できている」という感覚がありました。

結果以上に成長を感じた試験でした。

全経上級でたどり着いた合格

日商簿記1級の試験から約1か月後。私は全経簿記上級を受験しました。

そして、ようやく合格することができました。

長かった2年半の勉強生活の中で、初めて達成感を味わえた瞬間でした。

家族の支えがあったことはもちろんですが、富久田先生との出会いも大きかったと感じています。

今でも感謝しています。

2年半の遠回りで気づいたこと

振り返ると、簿記1級の勉強で大きかったのは、自分に合う講師に出会えたことでした。

有名な講座でも、すべてが自分に合うとは限りません。

同じ論点でも、先生が変わるだけで理解のしやすさが変わることがあります。

私の場合、TACで試験範囲を一通り学び、CPAラーニングで苦手分野のイメージをつかみ、プロ簿記で理屈や背景を深く理解していきました。

それぞれの講座で得たものが、少しずつ積み重なっていった感覚です。

回り道だったかもしれませんが、複数の講師の考えに触れたことで、知識をより立体的に捉えられるようになったと思います。

もちろん、一発で合格できることは素晴らしいことです。

ただ、結果だけでは得られなかった学びもありました。

会計の理解が深まったことは、経理実務や現在の仕事にも役立っています。

実際に、簿記1級レベルの知識が実務でどう役立ったのかは、こちらの記事で詳しくまとめています。

簿記1級の勉強を続ける中で、私は全経簿記上級にも挑戦しました。

日商簿記1級と全経簿記上級の違いや、両方を学習して感じたことはこちらにまとめています。

もし今、思うように点数が伸びずに悩んでいる方がいたら、自分を責めず、学び方を少し変えてみてもいいのかもしれません。

講座ごとの特徴を比べたい方は、TAC・大原・CPAラーニング・プロ簿記の比較記事も参考にしてください。

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